ウェブ担当者は、自社で管理するホームページやECサイトなどでの収益を最大化するため、日々努力を続けています。そんな中で、CRO(コンバージョン率最適化)という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
CRO(コンバージョン率最適化)とはどういったことなのか、何をどう最適化することで、自社のホームページにどういった効果があるのか。今回は、CROの基礎から実際に行うまでのポイントについて解説したいと思います。
CRO(コンバージョン率最適化)とは
CROとは、自社がホームページを運営する上で大きな目的として定めている成果(コンバージョン)に関する指標のことを言います。
そもそもコンバージョン(CV)は、Webマーケティングの世界では「ホームページにおける最終成果」つまり、ユーザーが商品(サービス)の購入や契約、会員登録、資料請求などの「ホームページで行うこと」を実行した回数と考えられています。本来のコンバージョンとは少し違う意味なのですが、ウェブ担当者としてはマーケティング的な意味で覚えておきましょう。
CRO(コンバージョン率最適化)は、このCVの数値を最大化するための戦略の一つと言えます。ちなみに、CRO以外のCV率を最大化するための戦略は、「SEO対策」です。二つの戦略の違いについては、後ほど解説します。
CROとSEOの違いとは
先ほど、CROはCVの数値を最大化するための戦略の一つと解説しました。そして、その戦略のもう一つはSEOであるともお伝えしましたね。
これらの違いには、どういったものがあるのでしょうか。簡単にいうと、それぞれの違いは次のとおりです。
●CRO:CV率を改善し、“既存のユーザー”から多くのCVを獲得すること。
●SEO:ウェブサイトの訪問者数を増やすこと(広告などによる流入施策含む)
これらのバランスをうまく取りながらCV率の向上を目指すことで、かけたコストに対しての成果率は高くなると言われています。
CROの効果を高めるために意識すべきこと
CROを成功させるためには、いくつか意識すべきポイントがあります。深めれば深めるだけ考えることは増えますが、まずはウェブ担当者として「これだけ!」というポイントに絞って解説します。
ポイント①:商品掲載数・有益なコンテンツを増やす
まずは、サイト内の情報を増やすことが必要です。ただし、闇雲に増やすわけではありません。「ユーザーファースト」の意識を大切にしつつ、「どのような情報がユーザーにとって有益か、刺さるのか」を考えながらコンテンツを増やしていきましょう。
商品やサービスの情報を提供するならば、商品掲載数を増やすことはもちろんのこと、「関連商品」や他ユーザーの検索結果の上位を表示するなど、ユーザーに「気付き」を与えられるような施策を心がけましょう。
また、コンテンツは文章だけではありません。動画も有効に使うことで、ユーザーにより具体的でリアルな情報を提供することができます。せっかくホームページを最適化するならば、そういった部分にも挑戦してみましょう。
ポイント②使いやすさ・見やすさの改善
CROの改善には、ホームページの見やすさや使いやすさを改善することも含まれます。ECサイトであれば、「サイト内検索」ができることが多いと思います。その検索導線の見直しはもちろんのこと、「簡単検索」のシステムを入れてみたり、最先端の流行デザインを取り入れるのも良いでしょう。
ただし、デザインやシステム導入にこだわりすぎてしまい、「ユーザーにとって見やすい・使いやすい」というゴールから遠のくことのないよう注意しなければなりません。
ポイント③:機能の拡充
ポイント②に関係する部分になりますが、ユーザーにとって使いやすい・見やすいホームページにするための機能拡充は重要です。「レコメンド機能」や「お気に入り登録」といったシステムを実装することで、ユーザーの買い物や情報収集がスムーズに進行するため、自社のホームページを利用した情報収集をしたり買い物をするユーザーが増えるきっかけとなります。
また、機能の拡充はユーザーだけでなく、こちら側にも良いことがあります。それは、ユーザーの情報を得られやすくなるということです。ユーザーがどこからアクセスしてきたのか、どういった情報を求めているのかなどの情報を得ることや、どういった商品が検討されているのか、お気に入り登録されているのかを知ることで、ユーザーのニーズを把握するデータが得られるのです。
ポイント④ユーザーの気持ちを動かすコンテンツ・情報発信
ユーザーの行動や気持ちを動かすためのコンテンツ・情報発信は重要です。ポイント①とは異なり、第三者評価(ユーザーからの声や満足度など)、外部サイトに掲載された口コミは、ユーザーにとって有益な情報です。これらの情報をうまく活用し発信することで、ユーザーに前向きな行動を促すことができます。
また、「申し込み締め切り」を大々的に表現したり、「品切れ続出!」などという文言でユーザーの心を動かすこともあります(ウソはいけませんよ!)。
なお、ユーザーは「良い情報」ばかり求めているわけではありません。その商品やサービスのどこが悪いのか、どういったところは注意が必要かといったマイナス面もしっかりと判断した上で購入等を検討します。
ホームページからの情報発信は、プラス面とマイナス面の情報をバランスよく発信するようにしましょう。マイナス面もちゃんと発信できている企業は、ユーザーからの信頼を得ることも可能です。
ポイント⑤キャンペーンや限定クーポンなどを有効活用
ECサイトなどでは、「初回限定」「期間限定」などのクーポンやキャンペーンを効果的に打つことで、ユーザーのCV率を上げることが期待できます。特に「次回使えるクーポン」などを設定できれば、ユーザーのリピート率を上げることにもつながりますから、有効と言えるでしょう。
ただし、闇雲の適当なクーポンではいけません。ユーザーのニーズなどをしっかりと把握した上で、「どういったクーポンを打つのが効果的か」を冷静に判断してから実際に動くようにしましょう。
CROは一朝一夕では成功しない
今回は、CROに関する基礎とポイントについて、ウェブ担当者が知っておくべき「最低限のポイント」に絞って解説しました。
今後は、CROを進めていく流れやさらに知っておくべきことを深めて解説します。
CROは知っていて損はありません。これからもしっかり学び、自分の知識にしていきましょう。