新型コロナウイルスが猛威をふるい続けています。日本経済は大きなダメージを受け、コスト削減などを強いられる中で、広告費の削減も珍しくありません。
そのような状況の中で、ホームページを活用した「ブランディング」は広告の代わりになる、場合によってはそれ以上の効果を発揮してくれるものとして注目されています。
今回は、企業が行う「ブランディング」におけるホームページの役割と活用法について解説します。ぜひ最後までご覧いただき、ウェブ担当としてできることが何かを考えるきっかけにしていただければと思います。
ブランディングとは
まずは、ブランディングとは何か、そして、企業にとってブランディングの重要性を解説します。
ブランディングとは、企業や商品(サービス)に対するイメージを世の中に定着させるための活動です。このブランディングが成功すれば、ライバルとの価格競争に巻き込まれることなく、集客や販促、PRなどの企業活動が有利になると言えます。そのため、多くの企業がコストをかけてブランディングに力を注いでいます。
ブランディングは、TVやYouTubeなどの動画でCMを流したりタレント等を起用して紹介してもらうことなどによって、世間からの認知を獲得する手法が一般的です。ですが、全ての企業にそのような予算があるわけではありません。そこで有効な方法が「ホームページを活用したブランディング」です。
ブランディングのゴールとは
自社のホームページを作るにあたっても、「ゴール」や「目的」を設定しました。それは、ブランディングについても同じです。
では、ブランディングは最終的に何を目的にすれば良いのでしょうか。
「ブランドを確立するための企業活動」という意識
ブランディングは、自社の商品やサービスに関するイメージを世の中に定着させる活動のことでした。「世の中に定着させること=ブランドを確立する」といっても良いでしょう。「自社が思い描くブランドイメージをユーザーに持ってもらい、商品やサービスを通じてどのような経験をしてほしいのか」を定義する必要があります。
ホームページを通じて「ブランドプロミス」を表現
「ブランドプロミス」とは、ブランドがユーザーに対して行う「約束」であり、企業側の意図や姿勢を表現するためのものです。企業が「どのような思いで商品やサービスを企画し、世に生み出したのか」「世の中に対して何を表現したいのか」を伝える方法として、ホームページは有効なのです。
ブランディングを行うメリット
ホームページを活用してブランディングを行うメリットには、次のようなものが挙げられます。
メリット①幅広いユーザーへの発信・詳細かつ正確な情報を訴求
ホームページを活用したブランディングを行うにあたって、幅広くユーザーに情報を発信することができるのは大きなメリットと言えます。さらに、ホームページを見たユーザーに対して詳細かつ正確な情報を伝えることができます。
ブランディングにおいて、「自社が思い描くブランドイメージ」を幅広いユーザーに伝え、商品やサービスに関する情報を訴求することはとても重要です。こういった情報発信やユーザーへの訴求は、ホームページを活用することによって可能となります。
さらに言えば、ホームーページに更新した情報をSNSで告知することによって相乗効果が得られるため、ホームページへのアクセス数増加が期待できます。そうなると、ますますユーザーへの情報発信や訴求ができるようになるのです。
メリット②コアなファンの獲得
ホームページによるブランディングは、コアなファンの獲得にも有効です。
すでに商品や企業名などを知っており、購入に対して前向きであるユーザーほど、商品やサービスの情報を深く理解した上で購入したいと思うもの。
そのため、「ちょっとコアなファン向け」の情報や開発に関する裏話などをホームページで発信することによって、幅広いユーザーの獲得が可能となります。ホームページの良いところは、潜在的・顕在的それぞれのニーズを持っているユーザーに対しての情報発信が得意だと言えるでしょう。
メリット③ブランドに対しての信頼性獲得・向上
一般的に、ユーザーが何かの商品を買おうとするときには、まずインターネットで検索を行います。商品やサービスを提供している会社やそのもののLP、関連情報を発信しているサイトなどを見て情報を得ることで、「その商品を安心して購入できるか」「企業は怪しいところではないか」を判断する材料にしているのです。
逆に、どんなに良い商品でもサービスでも、ホームページが用意されていなかったり過去に作った状態のままであれば、ユーザーは不安を抱いてしまいます。ホームページを活用したブランディングは、何よりも多くの人に自社の商品やサービスを届け、かつ信頼してもらうために有効な手段なのです。
Webブランディングを成功に導くために
ここからは、Webブランディングを行うための流れや成功に導くためにどうすれば良いかを、「最低限必要なこと」に絞って解説します。
ウェブ担当者として、自社の商品やサービスの認知向上や売上アップに貢献するには、Webブランディングが強いと言うことを理解するために、「流れの理解」は必須です。
流れ①価値・目的・ゴールの整理
最初にやるべきことは、商品やサービスがユーザーにとってどういった価値を持つのか、ターゲットに対してどのような価値提供をできるのかを整理することです。それが固まっていない状態でブランディングの戦略を立てることはできませんし、もし「固まった」と思ったとしても、どこかで綻びが出てしまいます。また、その商品やサービスを「どうしてブランディングしていきたいのか」と目的を確実に把握し、「最終的にはどうなって欲しいのか(ユーザーの行動など)」を整理しておかなければ何も始まりません。
ここには、できるだけ時間をかけて情報を整理し、会社全体(もしくはチーム)としての共通認識を持ちましょう。
流れ②戦略を立てる
ブランディングは、どういった戦略を立てるかどうかが重要です。商品やサービスの価値、最終的な目的やゴールを整理できたら、そのゴールや目的に向かって「どういった手段を講じるか」「どんなステップを踏んでいくか」などを考えます。
ウェブ担当者であれば、ホームページにどんなコンテンツを用意できるか等を検討し、提案することができますよね。それらの戦略を綿密に立てることで、ホームページを活用したブランディングのゴールは一気に近づきます。なお、戦略を立てるときのポイントは、「ユーザーのためになっているかどうか」を忘れないことです。
最終的に買う人は誰でしょうか?ホームページを見てくれる人は誰ですか?間違いなく、ユーザーなのです。
しかし、最初は社内のリソースだけでは難しいところがあると思います。将来的には自社で完結できるようにするため、外部にコンサルティングに入ってもらったり「企業ブランディング」を専門にしている会社にサポートしてもらうことも有効な手段です。
流れ③ホームページ制作実施
商品やサービスの情報整理を行い、ブランディングの戦略を立てられたら、実際にホームページ作りに入ります。このタイミングで、自社のページをリニューアルしてしまう(ブランディングページと合わせる)のも手ですが、基本的には自社ページとブランディングのページは別に作る方が良いでしょう。ユーザーが必要な情報に最短距離で辿り着くためには、ホームページ内の情報はまとまりを持たせ、少ない方が良いからです。
ウェブ担当者として、
・ページ数やどういったコンテンツを用意するのか
・デザインはどうするか
・スマホやタブレットでどのように見やすくするか
など、考えることはたくさんあります。
制作は、デザイン確定から実際のコーディングなどを考えるとおよそ半年から1年は見た方が良いでしょう。もちろんそれよりも早く作ることは可能ですが、せっかく時間とコストをかけてホームページを制作(リニューアル)するなら、「ユーザーファースト」の意識をしっかり持った上で、丁寧に考え抜いたホームページを作りましょう。
流れ④運用・改善
ホームページが完成して運用が始まったら、そこで終わりではありません。むしろ、そこからがスタートと言って良いでしょう。ホームページのアクセスやコンテンツの閲覧状況などを確認し、CV率にどのように影響しているかを見極めた上で、細かな改善を繰り返していきます。
ブランディングのページでも自社のページでも、完成してからやるべきことは変わりません。
分析→考察→改善を繰り返すことで、良いものを追い求めていきましょう。その先には、必ず結果がついてきます!
諦めないで続けること
ブランディングにおけるホームページの役割は、とても重要です。ただし、すぐに結果が出るわけではないことも事実。ウェブ担当者として悩むことも多いと思いますが、短期的な結果は期待できないことを理解しておくことが大切です。
マラソンのように、長く長く走り続けることを意識して、頑張っていきましょう。