あなたは「寄生サイト」をご存じですか?
寄生サイトとは、中堅から大手の信頼性や人気のある会社や団体(場合によっては個人)のホームページに対して、「ある一定の収益等を約束するのでコンテンツを置かせてほしい」という営業を持ちかけ、いわゆる「間借り」によってコンテンツを掲載することです。
以前、辻正浩さんがブログで「寄生サイト」に関する記事を書かれていました。
今回は、この「寄生サイト」について私なりに思ったこと、最近チラチラ見る「寄生サイトかな?」と思うようなケースなどについて書いていきたいと思います。
なお、読ませていただいた辻様の記事のURLはこちらです。ぜひ、こちらもご覧ください。
※辻様の書かれた記事(https://webweb.hatenablog.com/blog/seo/para-site)
コンテンツを置くだけで報酬!?
「寄生サイト」の営業は、コンテンツを置くだけで「毎月一定額」の報酬が得られるなどの好条件を提示してくることが多いようです。
また、そのコンテンツによってアクセス数の増加が見込めるなど、私たちが日々悩み、改善のために頑張っているところにうまく声をかけてくることもあります。
一見問題ないように見えるため、「何がどう悪いの?」と思われるかもしれません。ですが、サイトの評価やSEOに対しての影響を受ける可能性が高いのが「寄生サイト」問題なのです。
過去には逮捕されたケースも
「寄生サイト」の走りは、動画共有サイトから自サイトに無断転載を行い、ダウンロードまでできるような状態になっていたことです。
この寄生サイトについては、逮捕者が出るような事件にもなっており問題視されていました。
最近出てきているコンテンツを掲載することに関しては、法律を犯しているようなことはありません。そういった意味での心配はないかもしれませんが、だからと言って良いというわけでもないのです。
依頼がくるホームページとは
「寄生サイト」の依頼がくるホームページとは、どのようなページなのでしょうか。冒頭に書いたものも含めて解説していきます。
信頼性のあるホームページほど依頼がくる(中堅〜大企業)
現状、「コンテンツ掲載」の依頼がくるのは信頼性の高い中堅から大企業のホームページのようです。アクセス数や収益性の観点からも、ある意味納得できる現状と言えます。
ただし、今後は幅が広がる可能性が十分あり、事業規模に関係なくコンテンツの掲載依頼が届くようになるかもしれません。成長が見込まれる企業やいわゆる「バズった」企業のホームページなどには依頼がくるかもしれません。
大学(研究室)にブログを持つ学生もターゲット?
昨年ごろから、クラウドソーシングサイトでは「大学の研究室にブログを持っている人」を対象にしたライティング案件が少しずつ見受けられています。
これも、広い意味で「寄生サイト」の一環と言えるかもしれません。そのほか、「自分のブログを持つ個人」にも依頼が上がっているのを見たことがあるため、このような「寄生サイト」の例は広がっていく恐れがあると言えます。
依頼を受けることのリスクとは?
では、「寄生サイト」のように「コンテンツ掲載」を受けることに関するリスクにはどのようなことがあるのでしょうか。
いろいろなリスクがある中で、今回はポイントを絞って解説したいと思います。
ガイドライン違反ではないけれど
「寄生サイト」はGoogleのガイドライン違反ではありません。しかし、Googleの公式的には推奨されているわけではなく、むしろ「やめておくべき」という見解が出ているようです。
少し考えてみるとわかるのですが、たとえ、自社の製品であったりサービスに関係のある内容だとしても、誰が書いたかもわからない、SEO対策がどこまで行われているかわからない記事を掲載して、どういったメリットがあるのでしょう。
短期的には検索結果上位を狙えたとしても、その記事を掲載し続ける必要があるわけですから、中・長期的には効果があるとは言えません。さらに、自社のホームページに「コンテンツを書くよう依頼されて載せる」場合があるかもしれませんが、それも結局はホームページのコンテンツとしてどれだけの価値を持つのでしょうか。
しっかりと考え、先々のことを見据えた上で「コンテンツ掲載」を受けるかどうかは決めるべきでしょう。
ユーザーファーストからほど遠い行為になることも
Googleが掲げる「ユーザーファースト」は、ユーザーのお悩みを解決し、より有益な情報を発信することが重要です。しかし、「寄生サイト」はユーザーファーストとほど遠い、「利益中心」に他なりません。
ユーザーファーストを意識した記事ならば、自社のホームページなどに掲載しておく方がよっぽど有益であり、わざわざ他社に掲載を依頼する必要などありません。そのようなコンテンツを掲載すること自体、自社のホームページのSEOを下げてしまうことになる可能性は、十分に考慮しておかなければならないでしょう。
まとめ
冒頭でも書いた通り、「寄生サイト」はいわゆる自社のホームページを「間貸し」している状態です。Googleからも警告は出ており、ガイドライン違反ではないものの、長期的に見たときには良いと言えません。
甘い言葉で、うまくメリットを押し出して依頼をしてくる業者があるかもしれませんが、一歩立ち止まり、自社にとって本当に良いことなのか、自社のホームページから発信することによってどのような影響があるのかをしっかりと考えましょう。
最後に、このような記事を書く機会を下さった、辻正浩様に感謝します。ぜひ、辻様の記事もご覧ください。
https://webweb.hatenablog.com/blog/seo/para-site